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川中島の戦いは、甲斐国(現在の山梨県)の戦国大名・武田信玄と越後国(現在の新潟県)の戦国大名・上杉謙信による戦いで、戦国時代史上屈指の有名合戦とされています。
北信濃の支配権を巡って行われた戦いで、1553年(天文22年)~1564年(永禄7年)の12年間、5回にわたって行われました。とくに戦国最大級の激戦となったのが千曲川と犀川が合流する川中島(現在の長野県長野市)で行われた第4次の戦いで、ここから武田信玄と上杉謙信の戦いは、川中島の戦いと呼ばれるようになりました。
非常に長い戦いだったにもかかわらず、両者の勝敗はついてはいません。戦国時代の英雄同士が持ちうる力を尽くした戦いは、戦国絵巻などの名場面として取り上げられることも多く、その数は200種類以上もあるといわれています。さらには講談や小説の恰好の題材にもなりました。いまだにその人気は衰えることなく、小説や映画、ドラマ、さらにはゲームにまで取り上げられ、熱い支持を集めています。
実際、戦いに関しては、『甲陽軍鑑』や『川中島五箇度合戦之次第』、さらには『武田三代記』『北越軍記』『北越軍談』『甲越信戦録』『絵本甲越軍記』などといった軍記物が残されています。それぞれの信憑性にはかなりの疑問符が付けられているようです。
戦いに登場する奇策「啄木鳥(きつつき)戦法」や「車懸りの陣」「信玄と謙信一騎打ち」なども非常に有名ですが、後世の脚色が混じっている可能性(作り話)があるといわれています。
歴史研究家には真相は不明とされている川中島の戦いですが、それが小説家にとっては想像力をかきたてる原因にもなったのは、想像に難くありません。結果的に視点を変えた形で面白い創作物が積極的に生み出されることになったともいえるでしょう。
例えば、井上靖原作『風林火山』では山本勘助が名軍師として描かれています。また、1988年のNHK大河ドラマ「武田信玄」の原作となった新田次郎の『武田信玄』は、「風の巻」「林の巻」「火の巻き」「山の巻」の4巻から構成されており、多くの人が武田信玄の偉大さに魅了されました。
もちろん上杉謙信の人間味を描いた小説もあります。海音寺潮五郎の『天と地と』は上杉謙信の少年時代から川中島の戦いに至るまでが描かれた作品で、何度も映像化されています。
川中島の戦いの最大の魅力は、戦国史上「最も謎が多い戦い」であることといえそうです。多くの謎が、多くの人の想像力を掻き立て、戦いの魅力が増幅されていくこととなりました。
⇒参考 : 戦国時代の本 ⇒戦国時代掲示板Copyright © 戦国時代ネット |