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■天正3年 [1575年]

4月 - 武田勝頼の元に、徳川家康の家臣・大賀弥四郎[おおがやしろう]が勝頼に内応するという密書が届く。つまり寝返ると言うことだ。勝頼は大賀の手引きにて家康の岡崎城を攻めるべく兵を挙げるが、大賀の謀[はかりごと]が家康に見抜かれ大賀弥四郎は殺される。勝頼は挙げてしまった兵を戻さず、同じく徳川方の長篠城攻めに方向転換することとなる。長篠城は徳川方の城といっても城主は信玄の代に武田家に仕えていた奥平信昌。奥平氏は信玄が死んだ時、家康方に寝返っている。家康がその奥平氏を長篠城に配置したのは、もし武田が攻めて来ても寝返った奥平なら必死で武田に抵抗するだろうと踏んでいたからだ。当然、この事で勝頼は憤慨し遺恨に残っていた。だから裏切り者の城を攻め落とさんと、兵を退かず、ついでに押し出して来たのだろう。ちなみに奥平信昌は元の名を貞昌[さだまさ]と言った。この戦いの褒美に信長から偏諱[へんき]を賜り貞昌から信昌と改名したそうだ。

5月11日 - 武田勝頼の軍勢が徳川方に奪われていた奥三河にある長篠城を包囲する。

5月21日 早朝 - 長篠・設楽が原の戦い[ながしの・したらがはらのたたかい]が起きる。この戦の端は5月11日に奥三河にある徳川方の長篠城が武田勝頼軍に包囲され、長篠城篭城戦が始まり長篠城が陥落寸前になることから始まる。兵糧蔵も奪われ、ついに落城寸前にまでなった時、奥平信昌の家臣、鳥居強右衛門[とりいすねえもん]が決死の覚悟で城を抜け出し家康に知らせた。その後、鳥居は帰陣する際、武田軍に捕まり殺されている。すぐさま家康は織田信長に救援を要請した。
そして長篠城西方の設楽が原において、武田勝頼軍と徳川家康・織田信長の連合軍が戦ったのがこの「長篠・設楽が原の戦い」である。この戦いにおいて、信長は乾掘り[けんぼり]や土塁などで構成される陣城[じんじろ]と馬防柵[ばぼうさく]を作り、勝頼軍をうまくおびき出したところを鉄砲で撃ちかけ、勝頼軍に大打撃を与えた。
誘き出したというより、信長に背後の鳶巣山[とびのすやま]を抑えられ、勝頼は云わば罠が仕掛けられた設楽が原に出ざるを得なかったらしい。
重臣たちが撤退を進言する最中、なぜ勝頼が敵の鉄砲隊が激しく撃ち掛けてくる中に、何度も突撃していったのかについては諸説あったが、最近ではこのように前に押し出されたといった事が有力な説になってきているらしい。
信長がうますぎたのである。
あとは前年に父の信玄も落とせなかった高天神城を落としたことで自信過剰に陥っていて、がむしゃらに突撃して行ったのかもしれない。
信長が鉄砲隊を三列にして、前列が撃っている間に後列が準備をし、馬防柵の間から間髪をいれず順番に鉄砲を打ち掛けたのもこの戦いである。
ただし、この鉄砲三段撃ちと言う方法は存在しなかったし、さらに武田の騎馬軍団自体も無かったと言う説もあるので、それが事実だとすると長篠・設楽が原の戦いも、後世に伝わっている様子とはまったく異なる風景だったのかも知れない。
何れにせよ、この戦いで武田軍の重臣、山県昌景[やまがたまさかげ]、馬場信房、土屋昌次らが死んで、武田氏は滅亡の道を突き進むことになり、7年後の武田討伐により滅亡するのである。

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⇒参考 : 戦国時代の本 ⇒戦国時代掲示板

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